FC2ブログ

ここは花/と/ゆ/めにて連載中の仲/村/佳/樹/先生ス/キ/ッ/プ/・/ビ/ー/ト/!の二次創作小説サイトです。
管理人の趣味・趣向が前面に出ている非公式ファンサイトですので、
純粋にス/キ/ビを愛している方、同人に対して嫌悪感を抱かれる方は、お手数ですがプラウザにてお戻り下さい。
一部年齢制限を設けている作品はパスワード制です。18歳未満の方はご遠慮下さい。


★裏パスについてはコチラをご覧下さい。

★実はこっそり応援しています!
スキ*スキ*スキビ祭 様

SKBアンソロ計画 様

とりむるてぃ(仮) 様

Date:--.--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Date:2010.07.07

催涙雨

7月7日、雨。

敦賀さんといわゆるお付き合いを始めてからというもの、自分の変わりように驚く。

バカらしいと思っていた「好き」とか「愛してる」とか「逢いたい」なんてセリフが咄嗟に出て来てしまったり、

運転席の敦賀さんの横顔に見とれたり、ふと触れ合った手を繋ぎたいと思ったり、もう一度キスしてほしいと思ったり。

敦賀さんは喜んでくれるし、好きなら当たり前の事だと言うけど、私はその度に自分の言動を後悔する。

恥ずかしくて恥ずかしくて何とかそれを誤魔化そうとして、その結果、敦賀さんを傷つけてしまう事も多い。

昨日だって―――。



「明日は何時に仕事終わるの?」

敦賀さんのマンションでいつものように夕食を食べた後、台所で後片付けをしていたら敦賀さんが話し掛けて来た。

「明日ですか?明日は映画の撮影で群馬に泊まりですね。」

「泊まり・・・」

「2泊ですけどね。敦賀さんは?」

「俺は日帰りで神戸なんだけど・・・」

「だけど・・・何かあるんですか?」

「明日は7月7日だから会いたいと思ったんだけど、仕事ならしょうがないかな。」

「7月7日って七夕ですか?どうして会う必要があるんですか?」

「どうしてって。1年に1度だけ織姫と彦星が会うこの日は恋人と会う日って風習があるだろ?だからキョーコと会いたいと思って。」

敦賀さんらしい、と思った。

「ふふっ。意外と敦賀さんも俗物なんですね。」

「俗物?」

「だってそうでしょ?日本人ってイベントとかに振り回されるじゃないですか。バカらしくて呆れます。」

「・・・・・・」

ヤバイ、と思った。

本当にそう思ってるから言ったんだけど、私の言葉を聞いた敦賀さんの空気がすっと変わった気がした。

「あ、あの、敦賀さん・・・」

「仕事ならしょうがないね。でも・・・俺は毎日会いたいし、たとえ1分でもいいから顔を見たいって思うよ。」

それだけ言ってリビングに戻って行ってしまった。

謝りたい。

そう思ったけどタイミングが掴めなくて、そのままお互いの仕事に向かってしまった。



***



あのまま何となく電話もメールもできないままで、撮影にも身が入らない。

それでも何とかNGを出さないように気合を入れ過ぎていつも以上に疲れている気がする。

「雨が降りそうなので今日は撮影終了です。ホテルへ向かうのでみなさんバスに乗って下さい。」

スタッフの言葉でバスに乗り込んで携帯をチェックするけど、敦賀さんからは着信もメールもなかった。

「やっぱり怒ってるのかなぁ・・・」

当たり前だよね。

あんなに素敵な人がこんなにかわいくない事ばっかり言う女に愛想尽かしても・・・自業自得だよ。

バスの窓から外を眺めているとポツポツと雨が降り始めた。

「あ~本当に降って来ちゃったぁ。今日は七夕なのになぁ~。」

共演の女優さんのそんな声を聞きながらガラス窓に打ち付ける雨音に耳を傾けた。

―――会いたい―――

―――声が聞きたい―――

この時になってやっとあのふたりの気持ちが分かった気がした。



打ち合わせと称した宴会をこっそり抜け出してひとり部屋に戻った。

携帯をチェックするけどやっぱり敦賀さんから連絡はない。

電話はタイミングが悪いと申し訳ないから、メールしてみようかな?

そう思って敦賀さんのアドレスを開いた瞬間―――コンコン。

「は、はい。今開けます。」

ビックリした胸を押さえながらドアを開けた瞬間、その人物に抱きしめられて思わず「きゃぁ!」と叫んだけど

そのまま流れるように部屋の中へ引きずり込まれてしまった。

「誰かも確かめずに開けるなんて物騒な事しちゃだめだよ。」

恐怖で声も出なかったけど、その優しい聞き覚えのある声に全身がふわっと浮き上がるような感覚がした。

「敦賀さん?どうして・・・」

「どうしても会いたかったから車飛ばして来たんだ。」

そう言いながら変装用の帽子とサングラスを外す敦賀さんの瞳はとても優しくて、思わず抱きついてしまった。

「キョーコ?」

涙が溢れて何も言えなかった。

敦賀さんはまるで「分かってるよ」と言ってくれているかのように優しく抱きしめて、背中を撫でてくれた。

泣きやんだ私をソファに座らせて、冷蔵庫からミネラルウォーターを出してくれた。

「昨日はごめんなさい。あんな事言ってしまって・・・」

「謝らなくていよ。キョーコは正直に思った事を言っただけだろう?俺の方こそ気持ちを押しつけちゃったみたいで・・・ごめんね?」

「違う・・・違うんです!」

首を左右に振ると、また涙が流れた。

「今までイベントとかに全然縁がなくて・・・いつも一人で寂しくて・・・本当は友達と騒いだり彼氏とデートしたりしたかったけどいつも一人で・・・。

 だからイベントなんて大嫌いでした。バレンタインもクリスマスも誕生日も・・・七夕も・・・。」

言葉がどんどん溢れ出して止まらなかった。

敦賀さんはそんな私の肩をそっと抱いて、静かに話を聞いてくれた。

「羨ましかったんです、過ごす相手がいる人達が。だから嫌いになろうって、そうすればイベントがある度に寂しくならなくて済むから。だけど・・・」

「だけど?」

「会いたかった。声だけでも聞きたくて何度も携帯チェックして・・・敦賀さんに会いたくて会いたくて・・・

 お水なんか飲むんじゃなかったなぁ。また涙が溢れてきちゃった。」

無理矢理笑う私を敦賀さんはまた黙って抱きしめてくれた。



「織姫と彦星の気持ちがよく分かりました。」

「どんな気持ち?」

「私なんて昨日も敦賀さんに会ってるのに今日もこんなに会いたくて堪らなかった。それが1年に1度だなんて・・・。

 しかも雨まで降っちゃって・・・会えたのかなぁ?」

「七夕に雨が降ると天の川が氾濫してしまってふたりは会えないんだ。会えない悲しさに流す涙が雨になって、その雨を”催涙雨”って言うんだ。」

「催涙雨?」

「この日の為に1年間一生懸命働いたのに会えないなんて、切ないよね。」

「かわいそうですね。」

シトシトと降り続ける雨を見ながら、愛する人と一緒にいられる自分がどれほど幸せなのかをかみしめていた。

「俺だったらどんなに川が氾濫してても渡るけどね。」

「・・・え?」

「そもそも1年もおとなしく待ってるなんておかしいと思わない?俺なら仕事なんかしないで川を渡るけどね。」

「で、でも、カササギが橋を作ってくれなきゃ渡れないんですよ?」

「だったらいかだでも何でも作ればいいんだよ。1年も牛なんて追いかけてないでさ。牛に乗って渡ったっていいんだし。」

あまりにも堂々と、自信たっぷりに力説するものだから呆気にとられてしまった。



「あははははは。そうですよね。敦賀さんなら絶対に1年も待ってないですよねっ!」

「そう思う?」

「思いますよ。今日だって車飛ばして会いに来てくれたじゃないですかっ!」

「そっか、そうだね。彦星も俺くらいの行動力があればいいのに。」

「もうやめてくださいっ・・・笑いすぎてお腹がっ!」

ひとしきり笑うと、敦賀さんの私を抱きしめる腕に力が籠った。

「敦賀さん?」

「・・・きっとまだまだ俺の方がキョーコを好きな気持ちが強いんだよなぁ・・・」

「敦賀さん、それは・・・」

「聞いて?だけど俺はそれでもいいんだ。少しずつ俺の事を好きになってくれればそれでいい。

 そんな日々を過ごしていくうちにキョーコと俺の気持ちが同じになれれば、それでいいよ。今日、俺に会いたいって泣いてくれたみたいに―――」

「敦賀さん・・・大好きです・・・」

「俺も愛してる・・・」



会いたい人に会えなくて涙を流すなんて思いもしなかった。

だけど今日だけは泣くのはやめよう。

会おうと思えばいつでも会えるこの贅沢な時間がどれほど幸せなのかが分かったから。

だから今日は笑顔でいよう。

もしかしたら織姫と彦星も何とかして天の川を渡ろうとしているかもしれないから。

私のように二人の涙が止まる事を祈っていよう―――。






←気に入って頂けたら拍手してもらえると嬉しいです゚+。(o・ω-人)・.。*

(。-ω-。)-------------------------------------------------あとがき-------------------------------------------------(。-ω-。)



明日は七夕なのに月下地方は雨っぽいです。今も雨が降り出しました。

思いつきで書いたのでちゃんとチェックしたつもりだけど変な所があったらスル―してね///



何気に最後の”大好きです”と”愛してる”でふたりの気持ちのズレ、と言うか、大きさの違いを表してみました。

こだわりが小さすぎて笑える(^m^)


スポンサーサイト
Template by まるぼろらいと

Copyright ©昼ノ月、夜ノ太陽。のブログ。 All Rights Reserved.
underthemoon
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。